建築の島

建築とマンホールデザインのブログ

地球ドラマチック 奇跡の景観! モンサンミシェル

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(写真は番組HPより)

世界遺産モンサンミシェル。大空にそびえたつ壮大な景観の背景を、歴史、自然、建築など多角的な視点から、最先端技術を駆使して徹底解析!

圧倒的な存在感で多くの人々を魅了してきた、モンサンミシェル。長い歴史の中で、修道院や要塞などさまざまな役割を果たしてきたが、いまだに多くのことが謎に包まれている。モンサンミシェルがそびえ立つ岩山は、どのように誕生したのか? 複雑な建造物はどうやって建てられたのか? 番組では、成り立ちにまつわる不思議な伝説や謎について検証するため、3Dモデルなど最新技術を使って、解明に挑む。

 

以前、NHK Eテレで放送されたもの。

フランス・ノルマンディー地方にあるモンサンミシェルは、海に浮かぶ修道院。増築に増築を重ねて現在の姿になったのは、どんどん増えた巡礼者を受け入れるため。その長い歴史ゆえ、様々な建築様式で増築されたという。

15世紀にはロマネスク様式の教会の一部が崩落し、フランボワイヤン・ゴシック様式で再建。だがなぜか13~14世紀の様式が採用されたという。柱をレーダーで計測すると、柱は二重構造になっており、内側には崩落しなかったロマネスク様式の柱が存在した。違う時代の様式でも、調和がとれている。

 

島の土台部分が花崗岩(海底から上ってきて閉じ込められたマグマ)であると伝えるあたりは、なんだか「ブラタモリ」っぽい。いつだか「ブラタモリ」ロケでパリに行ったけど、せっかくだからタモリさんをモンサンミシェルにも連れて行けば良かったのに……。って、実際の花崗岩にはさすがに触れないか。修道院の下だもんな。

この花崗岩は、海の浸食でほとんど消えた、かつての「アルモリカ山地」の一部という。

アルモリカ山塊 - Wikipedia


軍事要塞としても使われ、13世紀に木の柵を城壁に変えた。王位継承権を巡って英仏が戦った「百年戦争」(14~15世紀)の時はフランス軍の砦となり、イギリス軍を退けた。入口の位置を新たに英国領の島から遠い南側に移し、古い方は上からかぶせるように半月塔を作って埋めてしまった。

陸地と島は、昔は満潮になると渡れなくなったが、19世紀に堤防道路を作った。ところが堤防道路のために土砂が積もり問題になったので、2014年には新しい鉄橋が作られた。


昔話。
モンサンミシェル(Mont Saint-Michel)には2回行きました。1回目は大学の卒業旅行で、陸地側から路線バスに乗って上陸(?)。2回目は、パリからの日帰り高速バスツアーで。名物のオムレツを食べたっけ。陸地からの眺めも素晴らしいんだけど、島内から見た大西洋も圧巻だった。海洋国フランスを肌で感じる。

イギリスには名前の似た「セントマイケルズマウント(St. Michael's Mount)」があり、どちらも「聖ミカエルの山」という意味。セントマイケルズマウントにも行ったけど、ここは干潮時には歩いて陸地から渡れる。修道院はないけど、お城がある。

 

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(写真はネットで見つけたもの)