建築の島

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新美の巨人たち 朝倉彫塑館

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(写真は番組HPより)

www.tv-tokyo.co.jp

toyokeizai.net

東京・台東区にある朝倉彫塑館は、以前訪れたことがある。和室、中庭、屋上庭園と、とても居心地の良い場所だったなあ。内部は写真撮影禁止だったので、番組で再び館内を見られるとはありがたい♪

昭和10年の建築。彫刻家・朝倉文夫はこの自宅兼アトリエを建てる前にも、何度か改築をしたことがあるというから、もしかしたら(いや確実に)「普請道楽」だったのでは。大田区立龍子記念館も、そんなだったなあ(こちら)。芸術家が自分で家を建てるとこうなりますよ、という好例。

建築の解説で登場した小沢朝江教授は、「百年名家」でも何度か登場している。


現在は美術館となっているアトリエの表玄関は、鉄筋コンクリートのモダンな建築。カーブを描き、外は黒という、施工当時としてはかなり斬新なデザイン。中は高い天井で、採光のための窓は三方向に設けてあり、床下には電動モーターの昇降台が仕込まれている。高さのある彫像の作業時に、梯子を上る代わりに、彫像を台ごと動かしてしまおうという発想がすごい。

対して、裏手の自宅側は数寄屋風の木造建築。これぞ日本の建築という佇まい。玄関の天井が斜めに切ってあったり、和室の柱は自然な木の形をそのまま生かしていたり、ところどころユニーク。

ちらっと映った三階の「朝陽の間」は、とても印象に残っている。広い座敷に大きな円卓があったっけ。窓から外を見ると、下の方に庭が臨める。「ずっとこの部屋で過ごしたい」と思った記憶がある。

書斎の天井まである本棚は「いいなー」と思ったが、関東大震災を経て、コンクリート壁に作り付けにしてしまえば倒壊しないというアイデア。番組では言わないが、朝倉邸では震災の時、何があったんだろう……。

 

和館を見学した際に庭も眺めたが、寒い季節に行ったので、それほどゆっくりは見なかった。陽気の良い頃に、窓を開け放した状態で、改めて見てみたい。畳の部屋に座って、庭を見ながらぼーっと過ごしたい。角度が変わるごとに景色も変わるので、それを4回かな。

「新美の巨人たち」では、東京の「小石川後楽園」や京都の「龍安寺」を取り上げており、今、「日本庭園、いいな~」状態。特に、今年の2月はむしょうに梅の花が見たくて堪らなかったが、梅の季節に「小石川後楽園」は休園しており、激しく地団駄踏んだなあ。


谷中にはレトロ建築がいくつも残っている。ここは台地になっており、戦災から逃れたという。旅人である田辺誠一さんが「カヤバ珈琲」にお邪魔していたが、う、羨ましい~!

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