建築の島

建築とマンホールデザインのブログ

丸の内の建築 / 近代建築ツアー

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少し前ですが、「OPEN CITY MARUNOUCHI」の近代建築ツアーに参加しました。「OPEN CITY MARUNOUCHI」では、丸の内界隈の企業などが協力して、街の魅力を知ってもらうために昨年から色々なイベントを開催しているそうです。

opencitymarunouchi.jp

 当日の天気は曇りときどき雨。建築の写真は、ツアー時じゃないとなかなか撮れないだろうなと思われる場所だけ撮り、外観などは別の日に撮ることにしました。また、あえてメモは取らなかったので(そうじゃないと90分メモ取りっぱなしになる)、全身を耳にし(全員にインカムが配布された)、印象に残ったお話をここに記すことにします。

ガイド役は、丸の内界隈の建築の修復を行った三菱地所設計の野村さん。街歩きの達人として、「万訪」のハンドルネームでYouTuberをやってらっしゃるとか! 

ツアーで見学したのは、日本工業倶楽部会館(外観のみ)、JPタワーKITTE(旧東京中央郵便局舎)、明治生命館三菱一号館(外観のみ)です。

丸の内界隈の開発が始まったのは明治時代。当時は皇居側が表玄関ということで、主要な建物は皇居の方に正面を作ってあると。今だと、東京駅側が表玄関というイメージですが。

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  日本工業倶楽部会館

 

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日本工業倶楽部会館は、玄関に向かって左側が昔の建築のままで、右側が新しく直したため、見比べてみると微妙に色などが異なります。玄関の柱は一つの大きな石を削り出して作られ、茨城県から運んできたもの。関西だと、瀬戸内の辺りで建材用の硬い石が採れるけれど、関東だとそういう石はなかなかなく、伊豆や茨城から石を採ってきたそう。

 

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  KITTE(旧東京中央郵便局舎)

東京駅前広場へ。東京駅は最近、昔(大正時代)の形に復元されたもので、辰野金吾のデザインは古典様式。その隣のKITTE(旧東京中央郵便局舎)はそれに対して、白タイルに黒い窓枠のモダン様式だけれども、階の高さ、コーニスや時計の高さを東京駅に揃えてある。この日本で、当時から隣の建築とのバランスを意識した建築があったなんて……! 建築界の巨匠・辰野金吾へのリスペクトかもしれないけれど、周囲の建築と揃えるなんて、まるでパリみたい。

最近は、修復保存工事では免振構造にすることが多く、スペースを確保するため、KITTEは曳家で建物を動かしたそうです。ちょっとずつ回転させる必要があったため、曳家の工程に数日かかったとか……! また、高さも下げたため、入口には昔の階段の名残が。

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中に入り、床のタイルや灯り(ちょっとレトロな雰囲気)、昔の様子を写した白黒写真のパネル、また今はショップが入っていますが、躯体の内側を眺めました。裏手に回ると、煙突と黒い外階段の名残が。ただし、外階段は強度が弱く、今では飾りとして残しているとか。

 

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  明治生命館

 

明治生命館へ。ここは、皇居側から外観を眺めたことはありますが、中のラウンジに入るのは初めてです。ていうか、一般の人も無料で入れるんだ! 建物の模型や、解説パネルが展示されています。建物の土台に「重要文化財」のプレートが。解説パネルは、後日改めて見に来ようかな。

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  三菱一号館の窓

 

美術館としてよみがえった三菱一号館へ。ここは修復ではなく、昔の建物をそっくり復元したもの。表側の1階、2階、3階の窓枠をよく見ると、いずれもデザインが違う。建物を大きく見せるための工夫らしい。かつては縦割りにして、地下から上の階までまとめて貸し、賃貸なのに複数階の家に住めたという贅沢。

英国人ジョサイア・コンドルの設計だけあって、当たり前だけど「英国みたい!」。かつての「一丁倫敦」の香りですよ。特に細部が、やはり日本人の弟子には真似できない。

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かつては銀行だったカフェの中も見学。ここは入ったことあるけど、さすがに写真は撮れなかったので、この機会にパチリ。数年前にも母と来たことがあるけど、今の方が建築の知識がある。今度銀座に来たら、ここでお茶を飲もうかな。


そうそう。ツアーの参加費は500円でした。専門家のお話が聞けて、このお値段。かなりお得です。記念にトートバッグも頂きました。他にも面白そうなツアーがあったので、次回そちらに申し込んでみようかな。

 

おまけ。
ツアーでは行かなかった、付近の建築を一緒に載せておきます。

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  DNタワー21(旧第一生命館)

 

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  東京銀行協会


写真は2013年に撮ったもの。当時は、外側のレンガ壁部分を「ファサード保存」した状態だったが、その後解体された。