建築の島

建築とマンホールデザインのブログ

新美の巨人たち 四万温泉・積善館

(番組写真はサイトより)

www.tv-tokyo.co.jp

ジブリ映画「千と千尋の神隠し」のモデルとされる、四万温泉・積善館(群馬県)。一度は行ってみたいと憧れていた場所なので、ウキウキしながら録画を視聴。旅人は女優の中山忍さん。

 

四万温泉は、明治時代に軽井沢が避暑地として知られるようになったのよりもずっと早く、江戸時代に湯治場として知られていたとか。元禄7年(1694年)というと、「赤穂浪士」の頃。

<奇跡の宿>と言われる宿の建物は、それぞれ年代が違う。
・本館(江戸~明治)
・山荘(昭和11年) 国登録有形文化財
・佳松亭(昭和61年)

本館は日本最古の木造湯宿建築で、こけらぶきの屋根。1~2階は江戸時代、3階は明治時代。現在は資料館になっている1階は、かつては家族の住まい。いちばん奥の「上段の間」は書院造で、代官など身分の高い人が宿泊した。床も一段高く、天井も高い。3階は、現在は休憩室として使われ、客室としては使われていない。

明治時代以降は文人墨客の訪れる宿となり、落語家、政治家、歌舞伎役者、歌人なども。女流画家の小倉遊亀も滞在し、代表作「欲女 その一」を描いたという。鉄筋コンクリート造の「元禄の湯(前新)」の浴槽はタイルだが、そのタイルの目の歪み具合がとてもリアルに描かれている。

 

  (写真は積善館サイトより)

こちらの建物は3階建てで、1階は洋風なのに上の部分は木造入母屋造。内装がハイカラで、惚れ惚れする。

山荘は、部屋の組子障子が素晴らしい。部屋ごとにデザインが違うとか。専任の大工が修理にあたり、忠実に復元している。

佳松亭の宿泊料金に「高っ!」となったが、本館長期滞在者用プランだとお手頃価格でほっとした。なんなら、日帰り入浴もある。